ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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皮膚科という職業 1 脂腺母斑

皮膚科という職業はおもしろくも難しい面があります。

今日通勤電車の中で目の前に座っていた若い男性の頭に親指くらいのハゲがありました。
よくみるとそのハゲは小さなぶつぶつが集合してやや黄色い面になっていました。



これは脂腺母斑と言って、生まれたときからあるものです。最初は普通の皮膚の色かやや黄色っぽい色で、表面はつるんとして、やや凹んで見えることもあります。しかし、成長と共にいぼいぼ状になってくるものです。
ずっとこれを置いておくとその中に腫瘍が発生します。毛芽腫(トリコブラストーマ)や乳頭状汗管嚢胞腺腫(シリンゴシストアデノーマパピリフェルムというながーい名前)という腫瘍です。かつてはこの毛芽腫は基底細胞癌という悪性腫瘍と考えられていましたが、近年ではほとんどこの毛芽腫だろうといわれています。
しかし、増殖性疾患であるのは変わりはないので、やはり小さいうちに取る方がよいと今でも考えられています。

さて、私の前の男性は次の駅で降りてしまいました。どこかの病院を受診してくれるでしょうか。
私がいきなり話しかける訳にもいきません。

見るだけで診断に至る皮膚科、どのような対応がいいのか解らないこともしばしばです。
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by skindr | 2007-02-02 22:46 | 皮膚科