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ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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You need a control, Media!

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日本のメディアの程度の低さと冤罪作りには辟易するが、またもこれである。

ある大学の研究講座に毎年200万円、ある企業が寄付していた。
では、それ以外の企業がどれくらい寄付していて、年間の総寄付額がいくらで、そのうちのどれくらいの割合を占めるかを述べずして一社のみを述べるのは明らかにミスリードを目的としていると言わざるを得ない。また、他の大学の小児科にもタミフルの会社が寄付しているかどうかのデータも必要である。



有力な大学の講座ならば、その講座に関連する薬剤の製薬企業の中で寄付をしていない会社は無い、と断言してよいくらいである。ましてや小児科でインフルエンザの薬である。企業が小児科講座のサポートを行わないわけがない。全国どこの小児科の教授が選ばれても、どこの講座にも額の多寡はあれ寄付はしているだろう。(薬屋はそれくらい儲けているのである。)寄付をされていない大学は専門が全く違うか、よほど価値がないと思われているのであろう。

この報道はある薬で患者が1000人助かったからそれはいい薬だと断定するのとさほど変わらない。
それが全体の1%であったり、副作用で1000人死んでいたり、他の薬でも同程度の効果があったりすることの報道無くして、その薬がいいものかどうかは判断できない。このような対照データをコントロールといい、日本のメディアの知的レベルではコントロールが理解されていない。

思い出した。日本の新聞は部数を売るものであり、社会の木鐸ではなかったのだ。何度も腹を立てる自分が悪いのか。会社全体のインテリジェンスやモラルの問題なのだろうけど、こんな連中のおかげで真面目に働いている人が陥れられるのは悲しい。

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タミフル研究者に1千万円寄付 01−06年度まで、中外製薬 [ 03月13日 12時00分 ]
共同通信

 インフルエンザ治療薬「タミフル」服用と異常行動の関連性を調べている厚生労働省研究班の横浜市立大の横田俊平教授の講座あてに、輸入販売元の中外製薬から「奨学寄付金」名目で01年度から06年度までに計1000万円が支払われていたことが13日、分かった。横田教授は昨年、約2800人の患者を対象に「タミフル服用の有無によって異常行動の現れ方に差は見られない」との調査結果を発表。
by skindr | 2007-03-13 23:24 | 医療政策