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ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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みちこさんへ

的確なアドバイスができるかは分かりませんが、考えることを書いてみます。

子供の頃からアトピーがあったということはないのですね。
現在の紅皮症は治療も終わり頃になってから出ているようで、薬が関係したものである可能性は低いような印象です。(絶対に違うとは言えませんが)

そうすると1)皮膚自身の病気がでてきた、または2)内科的な病気に伴って皮膚症状が出ている、という両者を考えなければなりません。

1)の全身の皮膚に異常を来す新たな疾患が起きたいうことから考えていくと、湿疹に続く紅皮症がもっとも多いのですが、これは組織検査というのである程度分かると思います。それ以外に血液の病気(リンパ腫)などでも中年以降の成人に紅皮症が起きます。

薬の内容やステロイドでの改善から考えると、湿疹に続くもののような印象です。

2)の場合を考えると、「皮膚筋炎」という病気があります。癌に伴って皮膚に多彩な炎症の様子が見られ、また筋肉の炎症も起きます。主に血液の検査(筋肉の酵素や自己抗体というわれるもの)で診断しますが、皮膚の検査がある程度有効なこともあります。成人のよくわからない紅皮症の場合にはいつも考えておく必要があります。癌の治療もしている施設とのことですから、おそらく鑑別はしていると思いますが。

あまり役に立たないかもしれませんが、主治医の先生に病態をどのように考えているか尋ねてもいいかもしれません。成人の紅皮症はあまり解決がない場合も多く忍耐が必要なことも頭に置いておいてください。

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初めまして、宜しくお願いします。51歳の女性です。2005年の8月に胃癌の手術を受け、術後すぐから抗癌剤を始め、体調を見ながら去年の春まで続けました。薬の副作用で足が粉を吹いたり、顔が黒ずんだりしましたが、肌全体は比較的きれいでした。薬をやめる少し前位から顔がひどく乾燥し始め、赤みもひどくなりそれが段々引かなくなり、浮腫み、尿の減少、Igeの上昇、体重の増加、顔も体も赤くなり、8月に紅皮症と診断されて入院になりました。ステロイド漬けになりきれいになりましたが、ステロイドを減らしていく段階から、一進一退の状態でした。この所の寒さで急に又乾燥しだし、赤みもひどくなり外出もままなりません。入院した時ほどでは有りませんが尿も減り気味です。痒みもあります。薬は白虎加人参湯、黄連解毒湯、アレロック、ポララミンを服用しています。塗り薬はキンダベート、デルモベート、ヒルドイドなどです。途方にくれております。どうか的確なアドバイスお願いいたします。
by skindr | 2008-01-20 11:53 | 相談のお返事