ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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医師の経験公表?

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誰にでも初めてはあります。
どんな簡単な手術でも成功率は100%ではありません。
難しいのですが、経験豊かな医師を作っていくのも社会の役割です。
現在でも若い医師はなかなか症例を経験できずにいることが多いようです。
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by SkinDr | 2006-07-31 23:34 | 医療訴訟

ひとつの命、みんなの命

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とても残念ながら、生まれてきて自分で生きていけない子供はいます。呼吸ができない神経、筋疾患などです。また、いろいろな病態で重態となってしまった場合などです。日本の多くの周産期医療を行う病院にそのような子供はいて、長い場合は数年、回復の見込みのないままに呼吸器に繋がれているのです。

奇跡的な回復を待ち望む親の気持ちは痛いほど解りますが、検査の発達した現代の医療で、2度とその子が戻ってくることはないことも、医師には痛いほど解ります。

しかし、死を恐れてはいけません。人間の命はひとりのものですが、それと同時に全体でひとつの命でもあります。過去に亡くなった多くの貴重な命のおかげで今の医療があり、私たちの暮らしがあるのです。自分で生きていけなくなった命は失われても、その命が無駄になることはありません。その命のおかげで助かる人がきっとどこかにいて、全ての命の終わりにはとても大事な意味があるからです。

ただ死んでいないという状態を創り出してしまった哲学のない医学はこれから顧みられるでしょう。命は、医者が人工呼吸器と輸液ポンプをいじって維持するものではなく、もっとずっと尊いものだと信じます。

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赤ちゃんの延命治療中止 淀川キリスト教病院 [ 07月30日 02時00分 ]
共同通信

 大阪市の淀川キリスト教病院が2005年までの7年間に、治る見込みがない重い病気で死期が迫った赤ちゃん8人について、「あと1、2時間以内」と判断した時点で両親の希望を受けすべての延命治療を中止していたことが29日、病院のまとめで分かった。
 親が赤ちゃんを抱っこして安らかな最期を迎えられるようにするためで、同病院の船戸正久小児科部長は「治療よりケアを重視し、親と一緒に過ごす時間を最大限、大切にすることを『看取(みと)りの医療』と考えている。赤ちゃんにとって一番よい選択を両親と話し合うことが大切」としている。
 赤ちゃんの終末期医療をめぐっては、本人の意思確認ができず治療中止は難しいとの指摘がある一方で、過剰な延命治療を見直す動きも広がっている。
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by SkinDr | 2006-07-31 01:04 | 医療政策

皮膚科の名医その2

どんな医者が皮膚科の名医か、見分け方を書く前に、名医の条件を挙げているところです。
前回からの続きを書きますと

4 患者をトータルに考えることができること

いろいろな病気や環境、社会的な事情が患者さんにはあります。患者は皮膚病で受診しても、その背景にある内科疾患の方が急ぐのであれば、そちらをまず治すことが必要です。また、慢性に続くアトピー性皮膚炎のような病気の場合は、目の前の湿疹を考えることと、その患者の将来を考えることの療法から治療プランを立てる必要があります。

口にするのは憚られますが、あるステロイド軟膏を一本出すのにも、あなたの今の状態だけでなく、昔の病気、家族の病気、他の病気、今までの仕事、今の仕事、家の様子、植物やペット、あなたの年齢と今後の人生プラン、全部を考えて一番いいと思うものを出しているんです。(そうでない皮膚科医が殆どなので、患者の不満が多く、それをうちの病院でぶちまけられることもしばしばですが。)

5 悪性疾患、重篤な疾患を見逃さない、放置しない

病気を見逃さないためには全ての病気を知っておかなければならないので、言うのは簡単ですが、実は難しいことです。しかし、診断をつけきれなくても通常の状態ではないという警告をみつけることは可能です。サインを掴めばそこから謎が解けてきます。

しかし、医者になって驚いたことに、解らない病気を放置する医師が多いことがあります。解らなければ、解りそうな先生がいるところに送ればいいのですが、何度も適当な処方をして、改善がなければ「大きい病院でも行ったら?」。これは、医師というより人間として残念です。

6 解らなければ考え、調べ、治療する。

全ての病気が初診からわかることは人間には不可能でしょう。しかし、調べればどんな病気か解るものもあるでしょう。国内の、世界中の文献を調べれば似たような症例はいくつかあるかもしれません。そのような報告から、診断や治療法が見つかる可能性があります。私にとって調べる動機は、解らない病気がある自分が嫌だから、と言う側面もあります。プロフェッショナルとして解らない病気があるのが許せない、と感じるからです。
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by SkinDr | 2006-07-31 00:30 | 皮膚科の名医

皮膚科の名医その1

皮膚科の名医とはどんな医者でしょう。

一般に名医というと「患者さんを助ける」という印象があります。難しい手術をして普通では助からない患者を助ける、ブラックジャック的な存在です。しかし、報道で名前がでる医師が「あなたを丁寧に診療してくれるか」は全くの疑問なのです。スーパーな腕があっても、患者のことを考えてあげる能力がなければ、その診療は実を結ばないことが多いからです。

皮膚科の病気は少数の怖い病気を除いてはあまり死ぬことはありません。むしろ、慢性に続く治りづらい病気が多くあります。例えばアトピー性皮膚炎一つでもそうです。名医にかかればたちまち治って二度とでない、ということはありえないでしょう。

それでも、皮膚科の名医と言われる人はいて、明らかな藪医者もいます。

私が勤務医として見る中で、「皮膚科の名医」の条件を思いつくままに挙げてみると、

1 まずは診断が正確なこと

これは第一の条件になるでしょう。診断が間違っていては、治療がうまくいくことは難しいし、先ほど書いたような「怖い病気」を見落として命に関わることもあります。多くの皮膚科の怖い病気は、早く見つけることで比較的簡単な手術で助かるのですから。

2 皮膚疾患、治療の知識が豊富なこと

これは診断の正確さとも重なります。知らない病気は診断できないからです。ある病気を見て知っている医者は1秒で診断できますが、その病気を知らなければ、いくら考えてもわからないでしょう。また、治療などについて新しい知識があることも大事です。

3 他科の疾患について詳しいこと

内臓疾患の多くのものが皮膚にその症状を出します。皮膚の症状からそのような病気を見つけるのも皮膚科医の非常に重要な仕事です。また、皮膚病患者で内科の病気を持っている場合も多くあります。特に、高齢者などでいろいろな病気を合併している人に皮膚病が起きた場合、治療プランに制約がでます。そのときにどうするかは、内科の病気をどれくらい理解しているかが、治療の鍵となります。

長くなったのでいつか続きを書きます。
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by SkinDr | 2006-07-29 22:01 | 皮膚科の名医

指圧費用も負担

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手術ミスの後の指圧費用も病院が負担、、、、。
この法的根拠は何だろう。
賠償とは一定額で終了するものではないか?
これでは、この人が今後受けるペインクリニックや例えば頭痛から鬱になれば鬱の治療や、あらゆる費用を負担することになるのでは?

もし頭痛も手術ミスと因果関係にあるのであれば、頭痛に相当する賠償額を支払うことにしなければおかしい気がする。

医療訴訟の判決を読むと、手術の同意書はどうなっていたのだろうといつも思う。万が一の場合、視力の低下があり得ることの同意を取って手術しないのだろうか。もし同意書にサインしているなら、少なくとも69歳の片目の視力低下が1800万円というのは厳しすぎる気がするが。

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眼科手術ミスで賠償命令 東邦大に、指圧費用も [ 07月28日 22時18分 ]
共同通信

 白内障などを治療する手術で医師がミスをしたため左目の視力が低下したとして、東京都の会社経営者(69)が東邦大(東京)に約9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、ミスを認め約1900万円の支払いを命じた。
 損害額に、手術ミス後受けたはり・きゅうや指圧などの費用を含められるかが争点になり、藤山雅行裁判長は「視力低下と頭痛に因果関係がある。はり・きゅうや指圧などは頭痛に有効」と判断、100万円を算定した。
 判決によると、経営者は2002年11月、東邦大大橋病院で手術を受けた際、医師が左目の内部に麻酔薬を誤って入れるなどのミスをした。
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by SkinDr | 2006-07-29 21:54 | 医療訴訟

医者は要らないと見える

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石巻の市民オンブズマン達は、大学からの医者は要らないと踏んだのだろうか。

勿論こんな寄付、しないですむならそれでいいだろう。

しかし、寄付しなければ医師に来てもらえない実態がそうさせているのではないだろうか。
大学は別に寄付を飲み食いに使っているわけではない。今は厳しいいろんな制約がある。

1年にわずか100万円で、地域の医療を担う医師を4診療科から派遣してもらえるのである。大学に頼らず、市が自力で人を集めようとしたら、その10倍は払わなければならないだろう。よろしくない寄付も、医者がいない状態よりははるかにましである。

この裁判のために、石巻の医師が減ったとしたら、市民オンブズマンはその責任を取れるのだろうか。

100万円の中に君の税金が1000円入っているかもしれないよ、確かに。でも、そんくらい世の中の研究と健康のために寄付してやれ、市民オンブズマン。

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寄付金返還請求を命令 東北大医学部の医師派遣 [ 07月27日 19時11分 ]
共同通信

 東北大医学部(仙台市)が、医師を派遣している宮城県石巻市の公立医療機関から受け取った寄付は違法として、仙台市民オンブズマンが石巻市長に対し、東北大などに寄付金計95万円を返還請求するよう求めた訴訟の判決で、仙台地裁の小野洋一裁判長は27日、東北大に約88万円を返還請求するよう命じた。
 原告側は医学部教授4人に対しても返還請求を求めていたが「寄付は国庫に納入された」として棄却した。
 被告側は「寄付は別組織の財団が受け取り、任意団体の医局が財団から分配された」と主張したが、判決理由で小野裁判長は、寄付は特定の医局向けで財団は窓口にすぎないとし、「公立病院から国立大に属する医局への寄付は、国への寄付と区別することは困難」と指摘した。
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by SkinDr | 2006-07-27 23:12 | 医療政策

懲罰

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これから新しい家族が生まれるという最高の喜びの時、さっきまで元気だった妊婦が帰らぬ人となるというのはどの人にとってもショックでないわけがありません。

しかし、妊婦の出産時の死亡は、世界的に500人に1人です。
障害児が生まれる確率はもう少し高かったと記憶します。
残念ながら早期の帝王切開が行われるようになっても、障害児の生まれる確率は変わりませんでした。

産科では500人の妊婦のうち一人は「通常であれば死ぬ」リスクを抱えた状態を、「救命」できなければ、訴訟に負けるのが現状です。
全ての妊婦が救命できることを前提に訴訟が行われるなら、現在の分娩費用は採算が合いません。ある産科医の試算では妊婦、障害児の訴訟費用まで入れるとだいたい一人の出産費用は140万円程度が妥当だそうです。現在のおよそ35万円ととの差額は、「保険」ということになりましょう。

妊娠は病気ではありません。
しかし、分娩は0.2%は死ぬ病態へとつながるものなのです。
帝王切開をしないと行けない事態そのものが、母胎、または児が一定のリスクを負っているということに他なりません。
病院で産めば、妊婦の死亡率は下がるでしょう。
しかし、ゼロにすることはできません。

現時点では、どのような裁判でも医療者のエラーとして負けているようです。
もし、法がそう裁くのであれば、それはそれでよいでしょう。
ただし、法が裁いたとしても、妊婦の死亡が亡くなるわけではありません。
これはとても重要な事実です。
そして、現状では確実に産科を行う病院は消滅するでしょう。
そうなれば日本は500人に一人は死ぬ時代に戻ります。

産科はもともと死亡も含めていろいろな可能性について同意書を取って手術を行っているはずです。必ず助けるなんて保証をしているわけはないでしょう。

少なくとも、救命できなかった医療機関に、「酔って人を跳ねた死亡させた交通事故」よりも「懲罰的な高額の慰謝料」を要求する法的根拠は、私にはよくわかりません。

藤山雅行裁判長という名前は記憶に留めておきましょう。

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<医療ミス訴訟>「交通事故死より高額の慰謝料」認める [ 07月26日 20時28分 ]

 長野県軽井沢町が運営する病院で出産時の医療ミスのため亡くなった女性の遺族が、町側に約1億8000万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は26日、約7200万円の支払いを命じた。賠償のうち慰謝料について藤山雅行裁判長は「医師への信頼を裏切られたことで精神的苦痛が生ずる。交通事故などの場合より高額となる場合もあり得る」として「交通事故死亡者に通常支払われる慰謝料を300万円程度上回る2700万円」と認めた。

 死亡に対する慰謝料は、判例が多い交通事故被害での金額が医療ミスでも基準になっている。これを超す額は、病院側のカルテ改ざんなど悪質なケースが大半で、増額を認める一般論を明記した判決は極めて珍しい。

 女性(当時32歳)は03年10月、帝王切開で男児を出産後に血圧低下などの異常が続き、約9時間後に死亡。判決は子宮からの腹腔(ふっくう)内出血を死因と認定し「腹腔内出血を疑って異常の原因を調べる義務を担当医は怠った」と判断。「女性を3時間も放置するなど病院側が信頼関係に反した程度は高い。通常より高額の慰謝料はやむを得ない」と結論づけた。【高倉友彰】
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by SkinDr | 2006-07-27 04:37 | 医療政策

高度医療

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レシピエントは助からず、ドナーは半身不随というとても辛い結果になってしまったようである。ヘパリンの投与量オーバーは例えばシリンジポンプの希釈、あるいは速度間違いというような単純なエラーなのか、それとも、何らかドナーには肺塞栓の危険因子があっての計算なのだろうか、この文章からでは解らない。もしも逆に肺塞栓が起きていれば、ヘパリンの投与不足という結果論的批判が来るのだろうか。私には解らない。

医療は明日の見えない仕事である。全てを考慮に入れて、うまくやったはずでも、予想外の結果が待っていることもある。人間の見える先などわずかなのである。さらに、人間なので、思わぬエラーがある。今回のはもしも単純な計算間違いなのだとしたら、二重チェック機構が働かなかったことには問題がある。

個人の過失を責めるのは簡単であるが、そうやって個人や団体を処罰していく先にはよい医療は得られない。この残念な結果から、この医師、診療科、病院、学会は何を学ぶのか、示して欲しいと思う。

医学は「失敗は成功の元」は許されないと言った先輩医師がいたが、残念ながらそれは当たらない。多くの尊い犠牲の元に今の生はある。人間の命は個別であり、かつ皆で一つである。誰かが生き延びるために誰かの死が必要な場合もある。逆に言えば、その死も無駄ではないのである。だから、回復が望めないと解ったとき、死を恐れてはいけない。

日本全体として、「ただ死なない」ことだけが大事、ではないという考えを成熟させて欲しい。

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<生体肝移植>女性に薬剤過量投与で重い後遺症 群馬大病院 [ 07月24日 20時50分 ]

 群馬大学医学部付属病院は24日、生体肝移植ドナーの患者に薬剤の過量投与から両下肢まひの重い後遺症が残ったと発表した。森下靖雄院長は医療ミスと認め、「患者と家族に深くおわびする」と陳謝した。日本肝移植研究会(会長、門田守人大阪大教授)によると、生体肝移植でドナーに重い後遺症が残るのは初めて。

 同病院によると、患者は群馬県内に住む50代の女性で、昨年11月に生体部分肝移植ドナーの手術を受けた。術後2日目に麻酔剤を流すための硬膜外カテーテルを差し込んだ脊髄付近から多量の出血があり、両下肢の完全まひが確認された。

 調査の結果、肺血栓などの合併症予防のための血液凝固阻止剤「ヘパリン」を通常の2〜5倍投与したことにより、副作用の出血が増え、脊髄損傷を引き起こしたという。提供を受けたのは50代の夫で、手術の3カ月後に感染症で死亡した。

 手術を担当したのは第1外科の医療チームで、30代の担当医がヘパリンの投与量を決め、執刀は別の医師が行った。同病院は「担当医の判断が甘かったと言わざるを得ない」と説明した。【伊澤拓也】
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by SkinDr | 2006-07-24 22:49 | 医療政策
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「気持ちが変われば辞めることができます。」という記載がなければならない、ということでしょう。それは当然と考え、記載していない施設もあるのかもしれません。

近年の起こりうることであったが、「事前に説明がなかった。」という理論では、あらゆる事が説明されなければならないという自体になっています。どんな合併症があり、その治療にはどんな方法があり、そのとき使うのはどんな薬であり、その薬にはどんな副作用があり、その治療法にはどんな方法があり、その治療法の薬にはどんな副作用があり、、、、、、。

やはり、現在のアメリカ型の医療法の考え方は間違っていると思われます。全てを説明することは不可能で、その説明があればその治療法を選択しなかった、と言われても困るわけです。「一定頻度で予想外の現象が起き、その対処法は起きてみないと解りませんが、納得して手術を受けます。」というとても曖昧な説明文を全ての同意書にいれればいいいのだろうか。

*****************以下引用******************

<生体肝移植>「途中辞退」の権利、4割が説明文に記載せず [ 07月23日 03時03分 ]

 健康な人が肝臓の一部を提供する生体肝移植で、実施医療機関の約4割が、提供者(ドナー)への説明文書で、提供を途中でやめる権利があることを記載していないことが、厚生労働省の研究班(班長=里見進・東北大教授)の調査で分かった。事態を重視した日本肝移植研究会は、同研究班が試作した「自己点検シート」を各医療機関へ配布し、ドナーの意思確認の徹底を求めていく。

 生体肝移植は、家族や親族間で行われるケースが多い。特に法令などによる基準はないが、ドナーの判断で断念することも当然の権利とされている。

 調査は、全国の生体肝移植を実施している56医療機関を対象に実施し、提供者に説明する際に使っている資料の送付を求めた。回答は、41施設からあった。

 資料を分析した結果、提供を途中で辞退する権利があることについて、資料に記載されていたのは59%(24施設)にとどまり、不徹底さが浮き彫りになった。

 このほか資料への記載率が低かったのは、「移植のおおまかな流れ」(17%)、「傷や痛み」(12%)など。逆に記載率が高かったのは、「術後の合併症と治療」(93%)、「入院期間」(76%)などだった。

 日本肝移植研究会が04年にまとめた調査では、提供者の半数近くが術後に傷口のまひなどの自覚症状を訴えている。

 研究班が試作した点検シートは、肝移植に関する理解や移植の意思を再確認することを目指すもので、手術に要する期間や体調への影響、提供者の精神状態、周囲の理解、相談相手の有無などをチェックする内容になっている。

 里見班長は「辞退の権利や術後の体調について、口頭ではどの施設でも伝えていると思う。しかし、提供者は家族や親族を救う立場にあるため、精神的に高ぶっている可能性がある。疑問やわだかまりを解消し、冷静に判断するため、点検シートを活用してもらいたい」と話している。【永山悦子】
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by SkinDr | 2006-07-24 02:19 | 医療政策

一歩後退

医療行政で国の無策は続いている。

比較的健康な働ける人の負担は増える一方で、回復の見込みのない救急患者への呼吸器まわしつづけ。

訴訟の頻発による産科の消滅に対する無策。

繰り返しますが、医療は公共のものです。家族が「死んだ人」に呼吸器を希望すれば、自由につけられるものではありません。

誰かが生きると言うことは、誰かが死ぬと言うことなのです。それを、国民に知らしめて欲しい。そして、生きられる人が十分に生きられる社会に、生まれてくる人が、死にゆく人よりも重視される社会にして下さい。

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射水市民病院:回復見込みない救急患者、人工呼吸器中止せず 基本姿勢決める /富山

 ◇終末期医療委
 富山県射水市の射水市民病院(麻野井英次院長)であった人工呼吸器外し問題を受け、同病院の「終末期医療委員会」(委員長=梅崎実・放射線科部長)の第4回会議が11日夜開催。末期がん患者以外にも救急処置で人工呼吸器を装着し、回復の見込みがなくなった患者について、▽人工呼吸器を中止しない▽患者の身体的ケアと家族への精神的ケア重視▽複数の医師を加えたチーム医療での対応――などの基本姿勢を決めた。【柳沢和寿】

7月13日朝刊
(毎日新聞) - 7月13日17時2分更新
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by SkinDr | 2006-07-21 22:34 | 医療政策