ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

<   2006年 10月 ( 4 )   > この月の画像一覧

Excite %u30A8%u30AD%u30B5%u30A4%u30C8 : %u793E%u4F1A%u30CB%u30E5%u30FC%u30B9

相変わらず、世の中をミスリードするような報道の仕方である。

心臓や脳を養う血管が詰まらないように、血が止まりにくくすることは即ち、他の血管からの出血もしやすくなるわけである。
血栓を融解する作用が強ければ強いほど、出血しやすくなり、出血した場合には止まりにくい。脳外科医と循環器内科医の意見はときに対立するのである。

More
[PR]
by SkinDr | 2006-10-28 19:20 | 医療政策

この話は難しい、、、、

Excite %u30A8%u30AD%u30B5%u30A4%u30C8 : %u793E%u4F1A%u30CB%u30E5%u30FC%u30B9

この問題はとてもとても難しいと感じます。

世界の多くの国で、「神の教え」により、見知らぬ人はおろか隣人と殺し合うような内戦になることもあるわけです。3年間の海外在住中に知り合った宗教を持つ方々は、その教えに背いて生きていくことには意味がないと言います。私個人としては、人間にこそ最も価値があると信じていますが、それ以外の考え方を私には「間違っている」とは言えません。

もう一つは手術についてです。恐らく水頭症のシャントを作ると言った成功率の高いものだったのでしょう。しかし、必ず成功するという約束ができないのに、手術を受けさせる義務を行政が親に強制できるのでしょうか。もしもこの手術が失敗して子供の命が失われた場合、誰の責任になるのでしょう?医者でしょうか、家裁でしょうか。

この子の両親は病気の子供に手をさしのべようとしませんでした。日本以外の国では、治せる病気であっても家が貧しいために手術が受けられないから、薬が買えないから医者には診せない、というのは決して珍しい話ではありません。日本には三歳児医療があり、基本的には医療費はかかりませんし、今回の理由はそれではありません。

重い胆道閉鎖症で、生体肝移植のための肝臓を親が提供しなかったため助からなかった。心筋症で、親がアメリカまで心移植に連れて行かなかったために助からなかった。

もちろん、私は上記の二つが問題であるなんて考えていません。しかし、線引きは難しい気がするのです。

今回の問題は、宗教的な死生観や、意思表示できない小児の医療、命に関する個人と社会の責任の比率などの非常に難しい部分が多くて、私の頭ではとても何が正しいか判断できませんでした。テクニカルな問題になるのかもしれませんが、小児の診療に関してどこまでが親権としての義務なのか、親の信教が小児の診療をどこまで制限して良いのか、この件をきっかけに、約束作りをして欲しい。
[PR]
by SkinDr | 2006-10-23 01:19 | 医療政策

報道の無責任、再び

Excite %u30A8%u30AD%u30B5%u30A4%u30C8 : %u793E%u4F1A%u30CB%u30E5%u30FC%u30B9

通常の昼間の医療体制でも通常の病院では救命不能な患者を真夜中にわずか6時間で60km離れた病院まで約束を取り付けて送り届け、胎児だけでも救命した病院の努力は評価されないのだろうか?

今回の報道はあまりにも偏向している。

受け入れ「拒否」ではない。受け入れ「不能」なのだ。
受け入れても助けられない病院に搬送しても意味がないではないか。
無責任に受け入れることは拒否して患者が適切な医療機関に送られる機会を阻むものであり、無理なら当然「不能」と答えるべきである。

この患者が助かる可能性について報道していない。
妊婦が脳出血を起こして助かった例がどれほどあるのかについて報道していない。
この年齢の妊婦に起きる可能性が高い疾患は「子癇」なのか、「脳出血」なのか報道していない。確率の高い方向で治療に入るのが当たり前の医療であることを報道していない。

内科医の意見があたかもあっているように報道しているが、もしもこれが本当に子癇出血だったら、CTを取るために動かしただけで死に至ったかもしれない。
そのときは報道は、妊婦の病態について詳しくない内科医の意見を聞いたために死んだ、と報道するのだろうか。

今回の患者を救命できる可能性のある病院を持つ都市は10もないだろう。
どんな病気でも死にたくないのであれば、そのような病院のある都市に住むしかない。
どんな街にも優秀な医療機関を設置する、と言うなら国民の負担は今の100倍になるだろう。

病気とはそういうものなのだ。
何故そう報道できない。
何故検証しようとしない!

自動車しか修理できない工場で、「スペースシャトルを修理しろ」と言われても無理なのだ。

報道の方々よ、何の知識も資格もないあなた方が医師を断罪するのは結構だ。

しかし、それがさらなる医療拒否を生み産科の滅亡を生み、医療機関の患者不信を生み、助けられる患者を助けられなくしているのだ。

この地方に、この時刻に、発生したこの患者が、現在の医療体制で助かる可能性がどれほどあったことかよく検証もせずに報道するあなた方の姿勢は、大都市に住まない何万人もの妊婦を不安にし、治療機会の消滅を促し、妊婦と胎児の命を危険にさらすことをしていることをよく理解して欲しい。

そして、努力した病院を結果的に診断が間違っていたからといって、「刑事犯罪人」にするのは警察、即ち国家である。

「緊急治療が必要な母子について、厚生労働省は来年度中に都道府県単位で総合周産期母子医療センターを指定するよう通知したが、奈良など8県が未整備で、母体の県外搬送が常態化している。」

通知しているのも国家である。しかし、医者がいなければやれと言われても自治体にできるわけがない。通知ではなく、あなた方国家権力が「刑事犯罪人」として告訴しなくて済む優秀な医者を送ってくれ。
それができないで、さらに医療をつぶすような権力の行使は止めてくれ。

今回の件は間違いなくさらなる産科医療の崩壊を招くと思われるが、それ以外に「受け入れしなかった病院の刑事罰を検討する」(正気とは思えない)となると、救急医療自体を取りやめる病院が続出すると思われる。それに対して、報道機関と国家がどのような責任をとるのか。
[PR]
by SkinDr | 2006-10-19 01:07 | 医療訴訟
Excite %u30A8%u30AD%u30B5%u30A4%u30C8 : %u793E%u4F1A%u30CB%u30E5%u30FC%u30B9

この教授ははっきりものを言う人ですね。まあ、でもその通りであって、心臓外科なんて失敗したらやり直しの難しい科で、成功率に大きな差があるなら誰でもうまい方に行きますよね。しかも公定価格でうまい先生も同じ値段だとしたら、患者が殺到して1年待ち、2年待ち、となるでしょう。

質の良いものには、それなりの価格があるという単純なことが医療界では無視されて、結局おかしな医療がはびこる原因となるわけです。経済原則に見合わない保険診療では、医療そのものがだめになるという例ですね。

 ▽佐野俊二・岡山大医学部教授(心臓血管外科)の話 手術件数が多いほど死亡率が下がるのは、プロの大工が日曜大工よりうまいのと同じで、ごく当然だ。手術が年25件未満、つまり月1、2件では明らかに足りない。心臓外科医はプロとして患者の重症度なども含めた治療成績を公表すべきだ。その代わり優秀な医師は高い報酬が得られる制度にしてほしい。

以下引用

<手術成績格差>件数多い病院ほど死亡率低い [ 10月01日 20時37分 ]

 心臓手術と食道がん、肺がんの手術では、手術件数が多い病院ほど死亡率が低い傾向があるとのデータを1日、日本胸部外科学会(松田暉理事長)が発表した。厚生労働省は今春、手術件数の多い病院に高い診療報酬を与える制度を「根拠が薄い」と廃止し、再び同様の基準を設けるべきかについて検討会で議論中だ。同学会は「件数は少なくても死亡率が低い病院があり、一律の規制は適当でない」と説明するが、今回の結果は議論に影響するとみられる。

 同学会は00〜04年に全国の計約700病院で心臓、食道がん、肺がんの手術を受けた患者計約30万人について、病院ごとの死亡率と手術件数との関係を分析した。病院名を公表しない約束で、各病院からデータを集めた。

 その結果、心臓の「大動脈置換術」では、年平均20件以上を実施した病院で、手術後30日以内の死亡率が7.9%だったのに、同5件未満の病院では18.5%と2倍以上高くなった。後天性心臓病の手術全体でも、年100件以上の75病院の平均死亡率2.3%に対し、年25件未満の90病院では同4.8%だった。

 食道がんでは、年75件以上の6病院で、在院死亡率が平均1.6%だったが、25件未満の716病院では平均6.5%と4倍の差があった。25件未満では、死亡率が20%を超える病院もあった。

 肺がんでは、年150件以上の病院で死亡率0.3%、10件未満では1.6%だった。

 学会は「病院を集約化し1病院の手術数を増やすべきだとの意見もあるが、地域的な問題もあり総合判断が必要だ。食道がんでは、全病院の90%以上が年25件未満で、集約化は難しい」としている。【高木昭午】
[PR]
by SkinDr | 2006-10-02 21:09 | 医療政策