ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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ほおずきさんへ

程度がわかりませんが、お話からすると難しい症状のようです。そして、生検まで受けていて治療法がはっきりしていないのはやはり難しい病気だと思われます。難しい病気は診断がつかず、病院によって意見が分かれるのは仕方がありません。

まず、口唇に慢性の炎症を来す病気をざっと上げてみると、接触皮膚炎などの湿疹・皮膚炎(とそれに伴う感染症)、扁平苔癬、天疱瘡をはじめとする自己免疫性水疱症、移植片対宿主病、慢性粘膜皮膚カンジダ症、日光口唇炎、などが思いつきます。接触皮膚炎を除いては背景となる病気(年齢、ウイルス性肝炎、遺伝性疾患、免疫不全など)があるものです。家族やもともとの病気、慢性の感染症などが何かあれば、それに伴う部分症状として診断を考えていくことが出来るかもしれません。

いずれにしても、まずは病気が何かをしっかり掴む必要があります。何が一次的に起きて、何が二次的に起きているのかをよく見極めて、二次的な病気(抗菌剤が効果を出しているので恐らく感染症は二次的なのでしょう)の治療を継続しながら、本態の治療を行わなければならないでしょう。

長い時間が経って、また治療による修飾を受けているようですので、診断を見極めるためには恐らく非常に優秀で臨床経験に富んだ皮膚科医が継続的に診療して、ある程度の時間をかけて試行錯誤をしないと解ってこない病気のように感じます。そのような状況ではあなた自身も診断や治療の過程で我慢が必要な状況や検査がでてくるかもしれません。また、湿疹など慢性の炎症とわかっても、治療には難渋する場合もあります。

医療には「正解」はありません。そして医者も人間で必ずしもあなたの病気が解ったり治せたりするわけではありません。その中で現実的に付き合っていける信頼できる医師を見つけて、互いに協力しながら治せる可能性を探りつつ現状を改善していく努力が必要になると感じられます。
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by skindr | 2007-08-31 09:41 | 皮膚科
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報道からすると患者は38歳で、それまで病院を受診しておらず、それまでに妊娠も確認できていなかった様子。午前3時頃に外出していて急に腹痛が出ている。

妊娠可能な年齢で急な出血と腹痛は数多くある。

一度も病院を受診していない、背景に何か病気ががあるのか解らない、さらに妊娠の可能性の高い患者を午前3時に受け入れることができる病院は限られるだろう。普通にかかりつけ医がいて、最初の判断が出来ているのとは全く違うケースであることをきちんと報道して欲しい。

なぜなら、このようなバッシングで被害を受けるのは医療機関、ひいてはその医療機関にかかっている、真面目に通院している妊婦さん達なのである。

以前にも書いたが、全ての患者が助かるわけではない。
引き受けて何も出来ないよりは引き受けない方がよい。何かできる病院に送られる可能性を消すからである。
運ばれた病院は、何かあれば「医療ミス」あるいは「助かっていたかもしれない」などの安易で無知で無責任な報道に苦しむことになる。

もう一度報道機関の方々には報道の意味と余波を考えて欲しい。
毎日新聞奈良支局が誤報で奈良県南部から産科病院を消滅させてしばらくになるが、奈良医大の産科がこのような繰り返しで消滅しないことを祈っています。

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by skindr | 2007-08-31 08:49 | 医療訴訟