ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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医療崩壊、勤務医の実態

もの凄くよくできた動画を見つけてしまいました。
あまりに私たち勤務医の実態を反映していて涙が出るくらい笑い泣きしました。
製薬会社や医療機器メーカーの職員より安い給料で働く自治体病院の医者の実態です。
http://www.youtube.com/watch?v=hmd7wCkjV3Q
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by skindr | 2007-11-23 21:59 | 医療政策

やんさんへ、慢性痒疹

やんさんへ

奥さんの皮膚病、大変ですね。
お話からすると病気は痒疹で良さそうですのでそのお話をします。

痒疹は皮膚科の専門医も困る難治性の病気です。
アトピー性皮膚炎などと違い、特定の検査値の異常など目安になるものが何もないのに慢性の湿疹やこぶのような痒い塊が続きます。
この強い皮膚炎がどうしてとびとびに生じるかは未だ持って全く解っていません。

従って、治療は症状に応じて行う対症療法になります。
一般的にはかゆみ止めの飲み薬とステロイド剤の外用が行われますが、これでは効果不十分の場合が多々あります。

紫外線は有効な治療の一つで、私もよく行います。紫外線には種類もいろいろありますが、UVB、特に最近のナローバンドUVBと言われるものは安全性も、痒みを止める効果も高くなっています。PUVAと言われる治療法もありますが、これは施設が限られていて、一般にはあまりありません。また、プロトピック軟膏というステロイドではない炎症を抑える塗り薬を根気強く塗ってよくなった方もいました。今後保険が認可されそうな内服薬もあります。

痒疹の治療には「これでかならず効く」というものはありません。患者さんによっては、掻いてはいけないと思いつつも痒くて掻いてしまい、それで落ち込んだりする方もいます。しかし、視点を変えれば、命に別状はない病気です。いつまでに治るか、と考えたりすると焦ってしまいます。「何故」とあまり問い続けずに、現状が急に改善しないという現実を受け入れて、治療を続ける気持ちを持つことも、ひとつの大事な治療方針だと思います。
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by skindr | 2007-11-23 11:55 | 相談のお返事
NNさんへ

既に大学病院を受診されていると言うことで、あまり間違いはないかと思いますが、一応感想をお書きしますね。

肉眼的には黄褐色、オレンジ色というより紅に近い感じでしょうか。
そうだとしたら、私の中ではいくつか鑑別する病気が上がります。

最初は、スピッツ母斑と言われるホクロの一種です。
これは誰にでもあるいわゆるホクロとおなじものなのですが、主に子供に生じて、顔面に多く、ほとんどが紅色をしています。これは自然には消えません。再発が多いので手術も少し注意が要ります。

つぎに血管腫のたぐいです。これにはいろいろな種類がありますが、いずれも心配なものではありません。ただし、きわめてきわめて稀に血管芽細胞腫という少し注意と治療が必要なものもあります。いずれの血管腫も自然には消えません。

大学病院では恐らく特殊な拡大鏡検査をしたと思うのですが、より正確な診断は皮膚を一部切り取って顕微鏡で見る「生検」という検査です。

診てくれた先生がすぐに生検してくれるかはわかりません。安全に出来ないとしないポリシーの先生もいますし、小児科に鎮静の依頼をする先生もいるでしょう。全体に、何かあったときのことが厳しいので、小児科も外来などで簡単には眠らせてくれないことが多くなっています。(相次ぐ医療訴訟のため医療全体が防衛医療化してますから、ね。)検査の結果、もしも手術なら入院して全身麻酔になるでしょう。

ちなみに私は3歳くらいまでで顔なら、先に表面麻酔をして手術時には手足ぐるぐる巻にしてエイッとやってしまいます。もちろん、お母さんの同意が得られればですが。(もちろん、子供は大泣きします。)

長くなりましたが、本当に若年性黄色肉芽腫であれば言われたとおりじーっと様子見が一番いいですよ。ほとんどの場合はうすい色素沈着程度になります。
もう一度診てくれた先生と相談して、生検の適応についておたずねしてはいかがでしょうか。
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by skindr | 2007-11-23 11:32 | 相談のお返事

ねこさんへ、手湿疹?

ねこさんへ

手の病気で困っているようですね。あくまでお話の内容からだけですが、やはり手の湿疹(主婦湿疹)が一番考えられると思います。(なぜ形成外科と言われたかは私には不明です。)その他に、しもやけや膠原病、膿疱症など考えられなくはないですが、可能性は低いと思います。
手の湿疹には原因をはっきり調べることが出来るものと、原因がよく解らず慢性的に続くものがあり、残念ながら現実には後者がほとんどです。
あなたの年齢、職業、背景に何か病気があるか、などがわかりませんがこれという原因と思うものがあれば、それで皮膚のアレルギーの検査をすることができます。治療はいずれにしろ手の皮膚の炎症を抑えて、刺激から保護することになりますので、お湯や洗剤を避けてまめに薬を塗るということになります。(どうしても仕方のない場合には私はある種の飲み薬を使いますが、一般的ではありません。)
手湿疹には王道はありません。地道な努力と言うことになります。慢性の病気は主治医との二人三脚の治療です。諦めずに、また滅入ったりしないように適度に気分転換してみてくださいね。
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by skindr | 2007-11-23 10:57 | 相談のお返事
お話からすると、皮膚科では皮膚には異常な所見はないということですね。
だけど、ぴりぴりすると。
ロコイドやキンダベート軟膏などはいずれも皮膚の炎症をとる薬です。それを塗っても改善しないと言うことは、恐らく皮膚炎に伴うピリピリ感ではないんでしょう。
そうだとすると、これは感覚の問題なのかもしれません。顔だけの問題なのであれば、全身的な末梢神経疾患などではないでしょうから、いわゆる「過敏症」といえるでしょう。
年齢や職業が解りませんが、ワセリンなど表面の角質を保護するような治療、末梢神経の発火を押さえる薬や、気持ちを落ち着かせる薬などを使ってみる価値はあるかもしれません。

ただし、全身の皮膚の問題でなければ命に関わる重篤なものではないでしょうから、その点は安心していいのではないでしょうか。主治医の先生と協力して効く薬を探してみてはいかがでしょう。
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by skindr | 2007-11-22 14:22 | 相談のお返事

祈り

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世界に知られるその知性と人柄です。
助かることを祈っております。

ほんのわずかな差が生死をわける脳血管障害。
人間に出来ることは限られていますが、順天堂浦安の先生方、頑張ってください。

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by skindr | 2007-11-16 21:15 | その他

sakuさんへ、手の湿疹

sakuさんへ
コメントを見落として、お返事しておりませんでした。
あまりに遅くて、読まれることはないかもしれませんが、一応考えることを書きます。

症状からすると手の湿疹のようです。
手の湿疹はいろいろな形があります。
小さな水疱がたくさん出るものから、大きな水ぶくれができるもの、手の皮がうすくなり指紋がなくなりつるつるになるもの、手の皮が厚くなりがさがさになりひび割れを伴うもの、などです。

それでもいずれも湿疹である場合が多いのです。
湿疹が起きてしまうといろいろな刺激で症状は悪化します。
素手で仕事をするのもそのひとつでしょう。

面倒ですが、治療はできるだけ手を庇うことと、夜にはきちんと薬を塗って保湿しておくこと、など地道なことが中心になります。
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by skindr | 2007-11-15 22:27 | 相談のお返事

それよりも

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医療クラークも欲しいところですが、とにかく診療報酬の本体を上げてください。
そうしないと、ますます無駄な検査が増えて、無駄な点滴が増えていくばかりです。
結果として、同じ診療報酬が請求され、医療の内容は悪くなる一方ですよ。
性悪説を元に病院を裁けば、善の病院から潰れますよ。

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by skindr | 2007-11-13 22:49 | 皮膚科
多忙でなかなかお返事できませんでした。

お父様に特に大きな病気がないという前提でお話しします。
さて、状況からすると、胸に膿がたまる袋があって、それが腫れ上がって切開をしたということのようですね。
もしもそれが「粉瘤」と言われる、垢が溜まる袋なのであれば排膿してしまえばその後は自然に治るでしょう。ひどいときは一部組織が死んでしまうような状態(壊死)になっていることもあります。そのときは麻酔をして壊死を除去する処置をしたほうがいい場合もあります。傷が治るまでの時間は、傷の大きさや年齢などいろんな要因で決まりますが、きれいでない大きな傷というのは治るのにかなり時間がかかるというのは事実だと思います。従って、快方に向かっているのであればそれほど問題は無いと思います。
ずっと治らない場合は1)背景に病気がある2)もともとの病気が粉瘤ではない(つまり粉瘤の様に見える悪性の腫瘍など)、を考える必要があります。1)はなかなか解らないこともありますが、2)は組織検査である程度診断できます。主治医の先生にもう一度、本来の病気についてよく聞いてみてはいかがでしょうか。
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by skindr | 2007-11-13 13:14 | 皮膚科
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医療にかかる費用は、つまり命にかかる費用です。
医療費を削れば削るだけ、国民が医療にかかる機会は減り、医療の質は下がります。

ここで間違ってはいけないのは、保険診療の場合、国民の負担は減らないことです。
毎月きちんと払っている保険料、全国一律です。
しかし、いざ病気でお世話になるときには
「あなたの病気を診られる医者は2時間かかる大都市にしかいません。」
そして、その先生の予約を取るには3ヶ月待ちかもしれません。

わずか数パーセントのマイナス改定と思う方も多いかもしれませんが、その数パーセントで利益がでるかどうかが大きく分かれます。度重なるマイナス改定で、病院はほとんどが赤字に転落、またはご存じの通り医師不足で閉鎖していっています。

数パーセントのマイナス改定で多くの地方の個人が得をするのは、遠い遠い病院を受診したときに、支払いが100円安くなるくらいでしょう。つまりマイナス改定は個人からみたら損につながる場合がほとんどなのです。

ちなみに財務省は、以前から将来の医療費の試算をしているわけですが、
その計算で行くと現在の医療費は48兆円のはずでした。
この試算から計算するに現在の医療費33兆円は既に財務省の「予定」よりも30%も押さえられているわけです。(それで医療崩壊が起きているわけですが。)
つまり、25年度には56兆円という計算も大間違いの可能性が大きいのです。

そしてこの医療費の割合は、先進国の中で群を抜いて最低です。
これは、私には働いても働いても国は安い命の値段しか支払ってくれない、悲しいしくみに見えます。

緊急医師確保対策といっても、決定的に医師が足りない病院に中央から一人を送り込んでも、ほとんど機能しないでしょう。
研修医を地方に配置すると言っても、きちんとした指導医がいないから地方で研修しない(できない)わけです。
マイナス改定を続けて医療環境が改善されることはないでしょう。診療報酬を下げて全部を叩けば、良心的な病院から潰れていきます。悪知恵の働く病院だけが「経営力」で生き残って、さらに不要な検査や治療をすることになるのではないでしょうか。
そのときに、病院は選べなくなっている、、、、。

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by skindr | 2007-11-06 03:45 | 医療政策