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ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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NNさんへ

既に大学病院を受診されていると言うことで、あまり間違いはないかと思いますが、一応感想をお書きしますね。

肉眼的には黄褐色、オレンジ色というより紅に近い感じでしょうか。
そうだとしたら、私の中ではいくつか鑑別する病気が上がります。

最初は、スピッツ母斑と言われるホクロの一種です。
これは誰にでもあるいわゆるホクロとおなじものなのですが、主に子供に生じて、顔面に多く、ほとんどが紅色をしています。これは自然には消えません。再発が多いので手術も少し注意が要ります。

つぎに血管腫のたぐいです。これにはいろいろな種類がありますが、いずれも心配なものではありません。ただし、きわめてきわめて稀に血管芽細胞腫という少し注意と治療が必要なものもあります。いずれの血管腫も自然には消えません。

大学病院では恐らく特殊な拡大鏡検査をしたと思うのですが、より正確な診断は皮膚を一部切り取って顕微鏡で見る「生検」という検査です。

診てくれた先生がすぐに生検してくれるかはわかりません。安全に出来ないとしないポリシーの先生もいますし、小児科に鎮静の依頼をする先生もいるでしょう。全体に、何かあったときのことが厳しいので、小児科も外来などで簡単には眠らせてくれないことが多くなっています。(相次ぐ医療訴訟のため医療全体が防衛医療化してますから、ね。)検査の結果、もしも手術なら入院して全身麻酔になるでしょう。

ちなみに私は3歳くらいまでで顔なら、先に表面麻酔をして手術時には手足ぐるぐる巻にしてエイッとやってしまいます。もちろん、お母さんの同意が得られればですが。(もちろん、子供は大泣きします。)

長くなりましたが、本当に若年性黄色肉芽腫であれば言われたとおりじーっと様子見が一番いいですよ。ほとんどの場合はうすい色素沈着程度になります。
もう一度診てくれた先生と相談して、生検の適応についておたずねしてはいかがでしょうか。
# by skindr | 2007-11-23 11:32 | 相談のお返事

ねこさんへ、手湿疹?

ねこさんへ

手の病気で困っているようですね。あくまでお話の内容からだけですが、やはり手の湿疹(主婦湿疹)が一番考えられると思います。(なぜ形成外科と言われたかは私には不明です。)その他に、しもやけや膠原病、膿疱症など考えられなくはないですが、可能性は低いと思います。
手の湿疹には原因をはっきり調べることが出来るものと、原因がよく解らず慢性的に続くものがあり、残念ながら現実には後者がほとんどです。
あなたの年齢、職業、背景に何か病気があるか、などがわかりませんがこれという原因と思うものがあれば、それで皮膚のアレルギーの検査をすることができます。治療はいずれにしろ手の皮膚の炎症を抑えて、刺激から保護することになりますので、お湯や洗剤を避けてまめに薬を塗るということになります。(どうしても仕方のない場合には私はある種の飲み薬を使いますが、一般的ではありません。)
手湿疹には王道はありません。地道な努力と言うことになります。慢性の病気は主治医との二人三脚の治療です。諦めずに、また滅入ったりしないように適度に気分転換してみてくださいね。
# by skindr | 2007-11-23 10:57 | 相談のお返事
お話からすると、皮膚科では皮膚には異常な所見はないということですね。
だけど、ぴりぴりすると。
ロコイドやキンダベート軟膏などはいずれも皮膚の炎症をとる薬です。それを塗っても改善しないと言うことは、恐らく皮膚炎に伴うピリピリ感ではないんでしょう。
そうだとすると、これは感覚の問題なのかもしれません。顔だけの問題なのであれば、全身的な末梢神経疾患などではないでしょうから、いわゆる「過敏症」といえるでしょう。
年齢や職業が解りませんが、ワセリンなど表面の角質を保護するような治療、末梢神経の発火を押さえる薬や、気持ちを落ち着かせる薬などを使ってみる価値はあるかもしれません。

ただし、全身の皮膚の問題でなければ命に関わる重篤なものではないでしょうから、その点は安心していいのではないでしょうか。主治医の先生と協力して効く薬を探してみてはいかがでしょう。
# by skindr | 2007-11-22 14:22 | 相談のお返事

祈り

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世界に知られるその知性と人柄です。
助かることを祈っております。

ほんのわずかな差が生死をわける脳血管障害。
人間に出来ることは限られていますが、順天堂浦安の先生方、頑張ってください。

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# by skindr | 2007-11-16 21:15 | その他

sakuさんへ、手の湿疹

sakuさんへ
コメントを見落として、お返事しておりませんでした。
あまりに遅くて、読まれることはないかもしれませんが、一応考えることを書きます。

症状からすると手の湿疹のようです。
手の湿疹はいろいろな形があります。
小さな水疱がたくさん出るものから、大きな水ぶくれができるもの、手の皮がうすくなり指紋がなくなりつるつるになるもの、手の皮が厚くなりがさがさになりひび割れを伴うもの、などです。

それでもいずれも湿疹である場合が多いのです。
湿疹が起きてしまうといろいろな刺激で症状は悪化します。
素手で仕事をするのもそのひとつでしょう。

面倒ですが、治療はできるだけ手を庇うことと、夜にはきちんと薬を塗って保湿しておくこと、など地道なことが中心になります。
# by skindr | 2007-11-15 22:27 | 相談のお返事