ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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しずかさんへ

しずかさんへ

診断者の判断について私がいろいろ述べるには当たりませんが、侵襲的な検査をする基準に満たないと考えたからでしょう。あなたが診療を受けるその病院にはメラノーマの専門の先生がいるとのことですので、そこでしっかり説明を受けて下さい。大事なのは診断の過程がうんぬんではなく、今後の方針と思います。今後の方針について信頼できないようだったら、第2の意見を聞いてもいいかもしれません。

診断については、病気には診断の基準というものがあります。例えば高熱が5日以上続く、という基準の場合、3日目にその病気を疑って治療を開始したとします。もしも当たっていれば、早く治療を開始して「名医」と言われるかもしれませんが、もしもその病気でなかった場合は「独断専行」となるわけです。「結果的に」その病気であるかどうかは確率的な問題なので、何とも言えません。医師も含めて誰も最初から答えは知らないのですから。4mmのほくろを全て切除したらどうなるでしょうか。その中には万に一つメラノーマが含まれるかもしれませんが、殆どは普通のほくろでしょう。そのような「確率」を考慮して診断の目安は作られています。

なお、ひとつ大事なことですが、メラノーマを部分的に切ると「転移する」と言われているのには主に日本だけで、科学的な根拠はありません。欧米では大きなものはやはり生検しています。少なくとも検査後2週間以内にきちんと全部切除されているのであれば、予後とは関係ないと思います。

私からのアドバイスはステージ1の1で見つかったことをよしと考えることが大切ということです。大事なのはこれからです。メラノーマの専門の先生とよく相談して、今後のフォローの注意に向けて前向きに頑張って下さい。

一つだけ言えば、よく日本の医療裁判では後から振り返ってレントゲンなどを見ると腫瘍が映っているから過失、とする判決が出ますがこれは医学の確率的常識を無視した人間の「誤審」であることを認識しておいて下さい。
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by skindr | 2008-09-15 11:03 | 相談のお返事