人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

病院機能評価

病院機能評価

皆さん、病院機能評価という仕組みがあるのを知っていますか。
これは、公的な機関がある意味で病院を「格付け」するものです。
私の病院もご多分に漏れずこれを「受験」するべく、狂奔しています。

その内容の一部を紹介しましょう。
例えば、
「患者さんをマイクで呼ばない、名前で呼ばない」
「外来待ち時間を表示している」
「外国語のできるスタッフがいる」
おもしろいものでは
「看護婦があしゆびの出たナースシューズを履いていない」
「病院職員に対して禁煙を勧めている」

あなたが食事に行くときに
店は狭くてきれいではなく、待たされるけど、とびきりうまい寿司屋と、
外国語ができるスタッフがいて、待ち時間を表示しているただのチェーン店と、
同じ値段ならどちらを選びます?

問題は寿司ではなくあなたの体を預ける所です。
自ずと答えは出ると思います。

私は喫煙者ではありませんが、診てくれる医者が喫煙者かどうかは、いい医者かどうかに比べればゴミのように小さな問題ではないでしょうか。そいつと暮らすわけではないのですから。

この機能評価、受診するのに数百万円がかかるらしいです。
私はこの病院機能評価機構はきっと厚生省の天下り役人が作った団体と確信します。

何が目指す病院像なのか、自分で描けないような院長、経営者に、いい病院が作れるはずはありません。私が院長なら、その数百万でみんなで飲みに行く方がよっぽど職員の士気は上がると思います。あるいは、職員の研鑽のために使っても良いでしょう。

今更ですが、こんな医療に誰がした、といいたいのです。
また繰り返しになりますが、受診は「いい病院」基準ではなく、「いいお医者様」を探しましょう。病院機能評価は参考にはなるかもしれませんが、「いい医者」がいる基準とは全く異なると思われます。
by SkinDr | 2006-07-06 21:57 | 医療政策