ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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よく考えて報道してください

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報道からすると患者は38歳で、それまで病院を受診しておらず、それまでに妊娠も確認できていなかった様子。午前3時頃に外出していて急に腹痛が出ている。

妊娠可能な年齢で急な出血と腹痛は数多くある。

一度も病院を受診していない、背景に何か病気ががあるのか解らない、さらに妊娠の可能性の高い患者を午前3時に受け入れることができる病院は限られるだろう。普通にかかりつけ医がいて、最初の判断が出来ているのとは全く違うケースであることをきちんと報道して欲しい。

なぜなら、このようなバッシングで被害を受けるのは医療機関、ひいてはその医療機関にかかっている、真面目に通院している妊婦さん達なのである。

以前にも書いたが、全ての患者が助かるわけではない。
引き受けて何も出来ないよりは引き受けない方がよい。何かできる病院に送られる可能性を消すからである。
運ばれた病院は、何かあれば「医療ミス」あるいは「助かっていたかもしれない」などの安易で無知で無責任な報道に苦しむことになる。

もう一度報道機関の方々には報道の意味と余波を考えて欲しい。
毎日新聞奈良支局が誤報で奈良県南部から産科病院を消滅させてしばらくになるが、奈良医大の産科がこのような繰り返しで消滅しないことを祈っています。



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<奈良妊婦死産>消防と病院で連絡不備 受け入れ出来ず [ 08月30日 13時55分 ]

 奈良県橿原市の妊婦(38)の胎児が救急搬送中に死亡した問題で、橿原消防署(中和広域消防組合)から最初に妊婦の受け入れを要請された県立医科大学付属病院(同市四条町)が、要請から約2時間のうちに、他の2人の妊婦を救急搬送で受け入れていたことが県の調べで分かった。病院に受け入れの余力がありながら、消防とのコミュニケーションの不備などで結果的にこの妊婦の受け入れが出来なかった。

 一方、大阪府警高槻署の調べで、この妊婦は妊娠24週(7カ月)で、胎児は胎内で死亡していたことが分かった。流産は22週未満で胎児が死亡する場合を指し、このケースは死産に相当する。病名は不詳。

 県によると、28日夜の同病院の産婦人科当直医は2人。1人は帝王切開手術後の患者の経過観察でつきっきりとなっていた。受け入れは、もう1人の当直医が対応した。

 消防から死産した妊婦の受け入れ要請がきた1分前の29日午前2時54分に別の妊婦が来院。通常分娩(ぶんべん)の患者で、同医大をかかりつけにしていた。このため、要請の連絡を病院の事務から受けた医師は「診察中のため後にしてほしい」と回答。事務員は「患者が入り、手術になるかもしれない」と消防に伝え、消防側は「断られた」と認識した。県の聞き取り調査に、医師は「断るつもりではなかった」と話している。

 一方、約30分後の午前3時32分。新たに同医大をかかりつけにしていた妊婦が、破水。この時点で産婦人科の病床は一つ開いていたため、入院した。さらに午前4時ごろ、近くの医院から、分娩後、大量出血した妊婦を搬送したいと要請があり、受け入れを決めた。

 この連絡の直後、死産した妊婦の受け入れ先が見つからなかった橿原消防から2度目の要請があった。事務員が「別の医院からの電話を医師につないだところ」と答えると、電話が切れた。大量出血した妊婦は午前5時ごろ医大病院に到着。産科の病床が満床だったため、他の科の病床で受け入れた。

 橿原消防からの3度目の搬送要請は、緊急度の最も高い3次救急に対応する同医大の救急救命センターに寄せられた。時刻は不明。センターの医師が症状を聞き取り、「全身状態が悪くない」と判断、2次医療機関で対応してほしいと断ったという。センターには一般病床で4床の空きがあった。

 結果的に、死産した妊婦は大阪府高槻市に搬送されることになり、その途中の午前5時9分、軽乗用車との接触事故に巻き込まれた。
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by skindr | 2007-08-31 08:49 | 医療訴訟