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ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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balthazarさんへ、アトピー性皮膚炎

balthazarさんへ

今、あなたは数多くの人から意見を聞こうとしています。

かかっている皮膚科医
薬剤師
消化器科の医師

そして、web上の皮膚科医です。

この中で、実際にあなたの皮膚病を診察しているのは誰でしょう?
そして皮膚科の専門医は誰でしょう?
それを考えればどの人があなたの健康を最も守ってくれるのか、
(正確に言えば、最も守ってくれる確率が高いのか)解るはずですよ。

頂いた断片的な情報で私があなたの主治医の適性を判断するのは難しいでしょう。
それと同様に、疾患が解らない薬剤師や他科の医師の意見が、皮膚科を専門としているものよりも妥当だと考える理由があるでしょうか?
一般論は薬剤師や内科医にも語れるでしょう。
しかし、主治医は一般論で治療しているわけではありません。
あなたの症状を診て、考えて合う処方をしているのです。
少なくとも処方内容からは何か問題があるようには思えません。

ステロイドを使う治療は、飲み薬も塗り薬も、我慢が必要な治療です。
薬剤を使う治療に、何のリスクもない治療は望めません。
根治がない以上、何かを犠牲にして何かを補うのが治療です。
副作用があるからといって、止めたりしては、それまでの治療が全部パアになります。
その調節をするのが主治医の役割で、一般論を語るのが仕事ではないのです。

いろいろな医者のいい意見だけをとって治療する、というのは一見良さそうです。
しかし、それは船頭多くして船山に上る状態で、誰にも収拾がつかない状態なのです。
誰かを信用して任せなければ、いい治療は受けられないのです。

もう一度、誰があなたを診ていて、誰が皮膚病の専門家かを考えてみてください。
誰を信じるかはあなたの自由です。
今の皮膚科の主治医を信じられると思えば、信じて任せるしかありません。
どの医師を信じてもリスクは必ずあります。
そしてそれは仕方のないことなのです。
これがあなたへのセカンドオピニオンです。
by skindr | 2008-02-09 23:01 | 相談のお返事