ベテランになりつつある皮膚科医がみた世界。世の皮膚病の患者さんの役に立てれば幸です。08年5月より多忙のためしばらく相談に対する回答をお休みします。


by SkinDr
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isaさんへ、爪乾癬?

isaさんへ

あなたに他に病気や家族に遺伝性の病気が特になければ、13歳から両方の親指の爪がずっと水虫と言うことは考えにくいと思います。調べて菌がいれば別ですが、菌がみえなければ他に爪に生じる慢性の病気も考えられます。爪の乾癬や扁平苔癬、慢性湿疹(手湿疹)、脂漏性皮膚炎、円形脱毛症に伴う変形、などなど数多くの病気が爪には表れます。

爪は角質からできていて、死んだ組織ですので一度出てしまった爪が治っていくことはありません。治るように見えるのは、爪が伸びて、古い変形した爪が落ちていくからです。従って、爪の甲羅(爪甲)が前に伸びていない場合、つまり爪の生長が止まっている場合は見かけ上の治癒は難しいと言うことになります。ラミシールが一定期間で効果がなければ主治医とよく相談してその他の治療を試みる価値もあるかもしれません。ただし、残念ながら爪の慢性の病気は難治性が多いことを心に置いてくださいね。
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by skindr | 2007-09-11 08:55 | 皮膚科
ほおずきさんへ

程度がわかりませんが、お話からすると難しい症状のようです。そして、生検まで受けていて治療法がはっきりしていないのはやはり難しい病気だと思われます。難しい病気は診断がつかず、病院によって意見が分かれるのは仕方がありません。

まず、口唇に慢性の炎症を来す病気をざっと上げてみると、接触皮膚炎などの湿疹・皮膚炎(とそれに伴う感染症)、扁平苔癬、天疱瘡をはじめとする自己免疫性水疱症、移植片対宿主病、慢性粘膜皮膚カンジダ症、日光口唇炎、などが思いつきます。接触皮膚炎を除いては背景となる病気(年齢、ウイルス性肝炎、遺伝性疾患、免疫不全など)があるものです。家族やもともとの病気、慢性の感染症などが何かあれば、それに伴う部分症状として診断を考えていくことが出来るかもしれません。

いずれにしても、まずは病気が何かをしっかり掴む必要があります。何が一次的に起きて、何が二次的に起きているのかをよく見極めて、二次的な病気(抗菌剤が効果を出しているので恐らく感染症は二次的なのでしょう)の治療を継続しながら、本態の治療を行わなければならないでしょう。

長い時間が経って、また治療による修飾を受けているようですので、診断を見極めるためには恐らく非常に優秀で臨床経験に富んだ皮膚科医が継続的に診療して、ある程度の時間をかけて試行錯誤をしないと解ってこない病気のように感じます。そのような状況ではあなた自身も診断や治療の過程で我慢が必要な状況や検査がでてくるかもしれません。また、湿疹など慢性の炎症とわかっても、治療には難渋する場合もあります。

医療には「正解」はありません。そして医者も人間で必ずしもあなたの病気が解ったり治せたりするわけではありません。その中で現実的に付き合っていける信頼できる医師を見つけて、互いに協力しながら治せる可能性を探りつつ現状を改善していく努力が必要になると感じられます。
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by skindr | 2007-08-31 09:41 | 皮膚科